モチベーションを上げる方法

隠遁生活を数ヶ月間続けて、初めて気がついたことがある。

公務員時代の僕は、どちらかと言えばモチベーションの低い職員だった。

その時はモチベーションが低い理由を、仕事がつまらないからだろうと思っており、「きっと好きなことをやっていれば、常にモチベーションが上がったままなのだろう」と想像していたものだ。

そして今年の6月、モチベーションが終始上がりっぱなしの自分の姿を想定しながら、満を辞して公務員を退職した。

ところがそれは、予想外にも検討違いであったことが判明したのだ。

やりたいことしかやっていないのに、モチベーションが上がったり下がったりする

ということが、わかったのである。

また、モチベーションはコントロール不能であった、ということも。

「人間はやりたいことをやっていても、モチベーションが上がりっぱなしってわけじゃないんだなぁ」

これが、独立後二ヶ月目に感じたことだ。

言われてみれば当たり前なことでも、体験しなければわからない世界があるのだなぁ。

一歩踏み出すことで、学ぶことは無限大にあるということだ。

こんなにワクワクすることはないだろう。

モチベーションが低い人間はダメなのか

それにしても世の中には、モチベーションの低い状態の人間に対しては、厳しくあたってくる風潮がある。

少しでもモチベーションが低いことがバレると、「あいつはダメだ」と容赦なくレッテルを貼ってくる。

僕から言わせれば、人間の価値はモチベーションだけでは測れないことを理解していない人の方が、視野が狭くてダメだと思う。

とはいえ、相手がいくら視野が狭いとはいえ、そんな風に他人から思われるのもシャクなのも事実である。

ときには、モチベーションが高いフリをしなければならない時もあるだろう。

僕もよく目をギラギラさせていたものだ。(遠い目)

でも僕の経験から言わせれば、クソつまらない仕事でモチベーションを上げるには限度がある。

のび太が学校の宿題をやりたがらないのと同じで、つまらないことに対してはモチベーションが上がらないのが当たり前なのだ。

そしてもちろん、本心とは異なるフリをしていても疲れるだけで、意味がない。

とはいえ、モチベーションが下がったまま仕事をしているのも、辛いだけである。

さらに今の僕の状態はやりたいことをやっているのに、モチベーションが下がっているのだから、まったく手に負えない。

では、一体どうすればいいのかという話が今回のテーマである。

モチベーションを上げる方法

個人事業主は、自分が動かなければ何も始まらない。

そこでひとまず、モチベーションを上げるために何をすればいいのか、調査を開始することにした。

そして、自己啓発本の山と、ヒップホップの機材に囲まれたスタジオに篭り数日が経った。

調査の結果わかったことは、モチベーションを上げるには、自らのドーパミンを放出する必要があるということであった。

そしてドーパミンを放出するために、外からの情報を取り入れる方法があることを知った。

①情報を受け取る→②情動が起こる→③ドーパミン放出→④モチベーションアップ!!

という流れで、どうやらモチベーションがコントロールできるようなのである。

どんな情報でモチベーションにつながる情動が起こるかは、人それぞれということらしいのだが、情報の種類には4種類あるらしいのだ。

以下に、その4種類の情報の種類を挙げる。

  • 「SEEK」・・「楽しいことがあるかも」という快の期待
  • 「WANT」・「欲しい」という気持ち
  • 「LIKE」・「好きだ」という感覚
  • 「期待値、予測値差分」・報酬が大きいものへ向かう時の気持ち

ざっくりいうとこんな感じだが、ひとまず僕は、4種類のうちで手っ取り早く実行できそうな「LIKE」に絞って実行してみることにした。

そんなわけで、僕が好きなことは、

①昭和の懐かしCMを見ること

②「人生の楽園」というテレビ番組を見ること

③哲学や自己啓発系の本を読むこと

であるので、それぞれ実施した結果をここに記す。

まず①の懐かしCMを見ることについて、懐かしCMというのは、自分が幼少期である昭和の世に流れていたテレビCMのことで、それをまとめたYoutube動画を見ることである。

視聴中は終始、「コレめっちゃ懐かしいんだけど…」の連発であり、史上最高の時を過ごしていたが、徐々に時間がゆっくりと流れているような気が。

その後、気がつけば「もう一度あの時に戻りたい」という気持ちに。

結果、感じた情動は、”悲しみ”であった。

そして最後には、涙をこらえるしかできなかったのである。

モチベーションが上がるどころか、哀愁しか残らない結果になったのである。

当然、なにも作業は進んでいなかった orz…

というわけで、懐かしいものに触れることがいくら好きなことであっても、モチベーションを上げるには不向きなのかもしれないので、読者の皆さんにおかれてはぜひ注意願いたい。

次に②の人生の楽園だ。

これは毎週土曜日の18時からやっている史上最高の番組であるが、みごと楽園への移住を果たした人々の姿を映し出す至福のドキュメンタリーである。

自分のやりたいことに向かう彼ら彼女らの姿からは、とてつもない勇気をもらうことができて、モチベーションが上がるのを確かに感じる。

「人生の楽園」を見終わる頃には、モチベーションが爆上がりし、胸が高まっていること間違いなしである。

モチベーションを上げる情報としては、合格点をあげてもいいだろう。

最後は③の本を読むことだが、これは説明するまでもなくモチベーションを上げてくれる情報だ。

いずれ、モチベーションを上げてくれる本10選とかで紹介しようと思う。

以上が、僕なりに全身全霊を注いだ調査の結果であるが、モチベーションを上げるには、「人生の楽園」を見て「本を読む」ということが効果的であるということがわかった。

読者の皆様におかれても、ぜひ試していただきたいものである。

モチベーションを上げることよりも大切なこと

しかし、色々やっていてもっと大切なことに気がついてしまった。

それは、

自分のモチベーションに関してだけじゃなく、どんな情報に触れると自分がどんな情動を感じるのか、について考えることは、あらゆる人にとって有益なのことなのではないか

ということだ。

公務員時代の僕は、日々をなんとなく単調に感じながら過ごしていて、自分が外部の情報に対してどんな感情を抱くのか、ということなんて、いちいち考えないで生きていた。

基本的にモチベーションが低い系だったので、考えることすら面倒だったわけだ。

そして、情動の先にある自分が望んでいる物も見えないまま、人生を過ごしていた。

あのまま進んでいたら、本当になんとなく人生を終えていたのかもしれないと思うと、少しゾッとする。

自分がどんなことに感動するのか、どんなことが好きなのか等、一つ一つの出来事に自分がどう感じるのかを知ることから、充実した人生が始まるのかもしれない。

そもそもモチベーションを上げるべきなのかという疑問

最後にモチベーションの話に戻るが、

モチベーションを上げるかどうかは、自分で必要だと決めた時だけでいいというのが僕の考えだ。

モチベーションを上げろなどと、誰かに命令されたわけでもないので、下がっている時は別に休んでもいいのである。

本来、人間がこの世でやらなければいけないこともないし、ましてやモチベーションを上げなければならないことなどない。

やりたいことを、モチベーションが高い時にやればいいのだ。

つまり、

自分のやりたいことがたくさんあるのであれば、モチベーションをコントロールしてたくさんやればいいし、やりたくないなら、モチベーションを上げてまでやらなくてもいいということになる。